書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.39「欲速即不達」
 日本でも『格差社会』が最近話題となってますね。でも、ご存じの方も多いでしょうが、中国の格差社会は日本の比ではありません。その最たる街が上海です。
 田舎から出てきてびっくりするほど安い給料で働く人がいる一方で、1万元以下はお金じゃないという感覚で暮らす人がいる(現に私の友人がそうなんです!)。そんな中国人の私でさえ想像もつかない格差を目の当たりにすると、お金の価値というものがよく分からなくなってきます。
 そこで今回は「欲速即不達」という論語の一節を描いてみました。速きを欲すれば即ち達せず。これを、急がば回れ、と訳すと語弊があるかもしれません。私は、目的に速く達するためにお金を稼ぐ、というのは分かりますが、今の上海では、お金が目的となってしまい、本来の目的を見失っているような気がしてならないのです。
 羽田から直行便が飛ぶようになり、日本から上海へ行く方も増えていると思います。行けばその経済発展に目を見張ることでしょうが、成長の陰にはますます広がる格差社会という現実もある。そういう認識を持っていけば、上海の違う顔が見えてくるかもしれませんね。

出典:日刊ゲンダイ 2008年4月7日

上海

  欧米列強が建設した中国のなかの西洋・上海。治外法権の租界では、阿片を扱う地下組織が暗躍し、中国共産党の第1回大会が開かれました。日本租界も置かれ、多くの日本人が渡った街は、今、日々、変貌を遂げています。

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