書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.34「一」
 私は書だけでなく、水墨画も描いていますが、やはり「黄山」は水墨画を描く人にとっては特別の山。中国の画家はほとんど、初めて水墨画を描くときは黄山を描きます。今回のDVDにも登場しますが、何年にもわたりずっと黄山を描き続けている方もたくさんいらっしゃいます。
 もちろん私も黄山は何度も描いています。私の世界遺産を描いたシリーズの中でも黄山は代表作の一つ。
 昔、伝説の帝王・黄帝がこの山にこもって不老不死の薬をつくったという言い伝えが名の由来だそうですが、それもさもありなんと思わせるほど、この山の岩や木や水、そして雲が幻想的で、まさに水墨画のイメージにぴったり。非常に表現しがいのある山なんです。
 そんな黄山に対し、私が描いたのは「一」。これは画家にとってはじめの一歩が黄山であることを表していますが、「芸術の一」という意もあります。どういうことかと言いますと、私ははじめることよりもむしろ続けることが大切だと思う。黄山だったら、それを描き続けることが大事。だから「はじめ」というより一途の「一」に近いかもしれませんね。初めて黄山を描いてから11年たった今でも黄山を描き続けている私の黄山への想いです。

出典:日刊ゲンダイ 2008年1月21日

水墨画 (安徽省)

 安徽省にある黄山(世界遺産)は、水墨画で最も多く描かれてきた山です。30年以上にわたって黄山を描き続けてきた画家の創作を追い、移ろいやすい人の世と違って悠久の時を感じさせる黄山に思いを託す画家の世界を訪ねます。

( DVD 第7巻『千年の技』

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