書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.33「心」
 墨と硯づくりが盛んな安徽省を紹介する今回は、まるで私のためにあるかのようですね(笑)。
 描くことが、すなわち生きることである私にとって、墨と硯がない人生は考えられません。当然、墨と硯に強いこだわりを持っていて、これまでにもいろんな種類のものを使ってきました。でも、最近はあまりこだわりがなくなってきて、例えば大きな作品をつくるときなどは硯の代わりに茶碗を使ったりもしています。
 もし、書画が趣味だったら、今でもずっとこだわり続けていたでしょうね。しかし、私の書画は趣味ではありません。人生そのものです。だから、“弘法は筆を選ばず”というとおこがましいですが、私も道具にこだわらない。かといって、まったくこだわりがないわけでもないのが難しいところ(笑)。ちょっとした哲学のようですが、つまり言いたいのは、こだわりがどうとかよりも、大切なのは「技は心」だということ。
 そんな思いを込めて、前回とはまた違った姿の「心」を描きました。

出典:日刊ゲンダイ 2008年1月7日

墨と硯 (安徽省)

 安徽省の屯渓周辺は、10世紀、この地方を支配した南唐が文房具の生産に力を入れたことから、墨や硯づくりが盛んになりました。伝統の技を紹介し、文房具になみなみならぬ関心をもった文人文化にも触れます。

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