書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.29「思無邪」
 中国で一番大きい滝といわれる「黄果樹瀑布」。私は82年と96年頃に2回訪れています。そして、最初にこの滝を見た時と、次に見た時の印象がずいぶん違っていたのを思い出します。
 最初の時はまだ15才の子供でしたから、ただ「きれいだなぁ」と思うだけ。ひたすらスケッチばかりしていました。
 ところが次の時はもう大人になっていて、ちょうどその頃は芸術や人生について、深い悩みを抱えていたんですね。だから今にして思えば、“心の整理”をしたかったのかもしれません。その効果は確実にあったと思っています。
 滝を見ると“心が洗われる”とよく言いますが、私の場合はそれに加えて、“どんなことがあっても、真っ直ぐに生きていこう”という固い決意が生まれたのです。まさに『思無邪』(よこしま無き思い)です。人の心は水のようなもの。どんなかたちにもなるし、淀んで濁ることもある。むしろ滝のように真っ直ぐにはいかないのが人生です。それでも、私は子供の頃の真っ直ぐな心を忘れず、真っ直ぐに生きていきたい。「黄果樹瀑布」のように。

出典:日刊ゲンダイ 2007年11月5日

黄果樹瀑布

 中国一といわれる貴州省の黄果樹瀑布。ここには、水を神と讃えるプイ族が暮らしています。水を表す渦巻き模様をろうけつ染めで描く女性たち。石造りの村を訪ね、若い男女が愛を伝え合った糸電話をはじめ、独自の生活習慣を探ります。

( DVD 第6巻『少数民族の小宇宙』

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