書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.25「空」
 モンゴルという国をひらいた英雄、ジンギス・ハンの稜。その孫であるフビライ・ハンが打ち建てた元の夏の都・上都の遺跡。モンゴルに仏教を広めたアルタン・ハンの居城。これらの映像を見て、モンゴルの歴史に思いを馳せた私が、今回描いた一文字が、「空」。“ソラ”ではなくて“クウ”と読みます。前回描いた「無」と同じような意味合いですね。
 なぜなら、私はモンゴルといえばどうしても、昔と今との落差に嘆息せずにいられないからです。中国の長い歴史上、最も領土を広げた国が元です。それほどの繁栄ぶりを誇りながら、今は時代に取り残されている。
 私はこう思います。国でも会社でも、つくることと同じくらい、“守ることも大事”だと。最初につくった人が一番強くて、名を残すのはいいとしても、それを受け継いで守ってゆく人がいなければ、どんな国も、会社も、いずれは滅びます。そしてあとには何も残らない空しさ。そうした栄枯盛衰を、モンゴルの大草原の上に広がる「空」は見続けてきたわけです。
 そういう思いでモンゴルを見つめ直せば、雄大な自然はますます美しく感じられ、また貴重な遺跡が語りかける声にも重みが増すような気がしてきます。

出典:日刊ゲンダイ 2007年9月3日

内モンゴル(2)

 民族の英雄ジンギス・ハンの陵。その孫フビライ・ハンが中国に打ち建てた元の夏の都・上都の遺跡。ジンギス・ハンの17代目の孫といわれ、モンゴルにチベット仏教を広めたアルタン・ハンの居城など、モンゴルの歴史を辿ります。

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