書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.19 「活在当下」
 私が人生の中で一番迷っていたのは、2003年頃のこと。そのとき行ったのが五台山です。夜中にホテルに着いて、そのままお寺へお参りしました。深夜なのにたくさんの人がお参りしていたことを覚えています。  当時はSARSが流行した大変な時期。私もそれまで仕事していた日本を離れ、中国へと戻りました。そのときの私は、毎日毎日頑張りすぎてクタクタでした。仕事中に倒れ、救急車で運ばれたこともありました。精神的にも、このままアーティストとして波瀾万丈な人生を送っていいものか、迷っていました。いっそのこと、誰かに頼って生きる道もあるかな、と、結婚も考えていたんです。
 そんなふうに思い悩む私に、改めてアーティストとして生きる決心を与えてくれたのが、五台山だったのです。中国の人は、ことあるごとに、最後は五台山、と言います。まさに中国人の心の拠り所である五台山に私も救われた1人です。そして、そのとき五台山で決意し、自分に言い聞かせた「活在当下」(今を生きる)という言葉を心を込めて描きました。

出典:日刊ゲンダイ 2007年6月4日

五台山

 中国仏教四大名山の一つ五台山。今も、40余りの寺に千人を超える僧侶が修行の日々を送っています。唐代にこの地を訪れた比叡山の僧・円仁の足跡を辿りつつ、生きた仏教の聖地を巡ります。

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