書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

Vol.18 「無尽蔵」
 雲崗石窟は、絵を描く人なら必ず行く場所です。もちろん私もしばしば訪れては、人物や風景をスケッチするのと同じように、ひたすら仏像をスケッチし続けます。それこそ修行僧になったような気持ちで。
 しかし、ここにある仏像は膨大な数です。私は雲崗石窟に来るといつも「無尽蔵」という言葉が頭をよぎります。これは仏像の数だけのことではなく、一つひとつの仏像に込められた宗教や美術の力、これらをつくり上げるまでにかかった気の遠くなるような時間や苦難の努力、修行の道、ひいては人間の業、そういった意味も含んでいます。とても深い言葉ですよね。
 私にとっては、描くことが修行です。旅をしていても、見るものや感じるものすべてについて、アーティストとしてどう表現すべきか、考えています。そんな私の旅も、修行の道もまた、「無尽蔵」なのです。
 そんなことを思いながら仏像を描いていると、その一つひとつが私に「もっと頑張りなさい」と語りかけ、励ましてくれているような気がしてきます。

出典:日刊ゲンダイ 2007年5月21日

雲崗石窟
 敦煌、龍門と並ぶ中国三大石窟の一つ雲崗。北魏が西域から連れてきた工匠たちに造らせた石窟は、インドやペルシャなど西方の文化を吸収し、中国が独自の仏教美術を開花させていったプロセスを如実に語ってくれます。

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