書画家 婁正綱の書紀行
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中国大紀行の全50話を、書画家 婁正綱氏が自身の体験をもとに語ります。
日刊ゲンダイ紙面にて好評連載中!

書画家 婁正綱氏
女性書画家。1966年、中国・黒滝江省に生まれる。12歳で書の才能に加えて、知識・知力および記憶力が高く評価され、中国政府より「智力超常児童」として認定。政府より特別教育を施される、中国の著名な書画家達に師事する。以来、その活動は国連やユニセフなどの事業に作品が採用されるなど世界の知識人・文化人等々に影響力を与えている。現在、中国を代表する書画家として、主に日本、中国、米国で活躍している。

vol.6 「山」
 今回はシンプルに「山」という一文字を書きました。ここに登場する「四姑娘山」に限らず、それぞれの「山」にはそれぞれの物語があります。人間と同じように。そして私にとっての「山」とは、「人生」に例えられるものです。山を登ることは、人生の「山」を一つ一つ乗り越えていくようなもの。そうやって苦労して登った先には、「四姑娘山」みたいに美しい花畑が広がっている。そう信じて、今日も私は「山」を登り続けます。
 ちなみに「四娘姑山」には、昔は野生のパンダが棲んでいたそうですが、中国人にとってパンダとは、「平和の象徴」であり、特別な存在の動物です。また私自身も12歳ぐらいの頃、パンダの絵をよく描いていたことがあります。そういう意味でも思い入れの深いパンダがたくさんいたという「四姑娘山」は、私も憧れる地のひとつです。

四姑娘山
 『中国大紀行』(DVD全10巻)の第2巻では、神々が棲む理想郷、現存する桃源郷、伝説と神秘の大自然を旅する。
 チベット高原が四川盆地に接するあたり、最高峰は6250mに達する「四姑娘山」を筆頭に4つの峰が連なる。大姑娘山、二姑娘山、三姑娘山、そして四姑娘山と続くその名の由来となった4姉妹とパンダの物語―昔、この辺りにたくさん生息していた野生のパンダと、夜は一緒に寝るほど仲良く暮らしていた4姉妹がいた。ところがある日、パンダがヒョウに襲われ、救おうとした末の娘が命を落とす。姉たちは嘆き悲しみ、4人は山へと姿を変えた―。地元の人は親しみを込めてその末娘の名・ロウさんと呼ぶ四姑娘山は、モンスーンがもたらす雨で豊かな緑をたたえる高山植物の宝庫。中国の花園と称され、古くから欧米のプラントハンターが分け入り、貴重な植物の数々を採取してきた。
 空気のきれいな場所でしか生えない「サルオガセ」が咲く花畑。まるでヨーロッパアルプスと見まがう風景が広がる。チベット人が薬として使うプリムラ・シッキメンシス。ヨーロッパエーデルワイスに近いレオンポディウム・ソウリエイ。雨が近づくと花弁を閉じるゲンティアナ・クラックスワイデス。森林限界を超えた地に咲くのは、世界でも最も美しいといわれるメコノプシス・ラケモサ。
 これらの花々に出合うためには足で歩くか馬に乗るしかない。本来大変な苦労をしなければ見ることができない自然の美を収めた貴重な映像。
出典:日刊ゲンダイ 2006年11月14日
( DVD 第2巻『伝説と神秘の大自然』

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